北極圏の国グリーンランドで、1日で大量の氷が溶ける異常事態が観測された。(フロントロウ編集部)

温暖化によってグリーンランドの氷が溶ける

 北極圏に位置し、国土の82%が氷に覆われた国グリーンランドで、異常事態が起きている。

 グリーンランドを覆う氷のうち、8月1日のたった24時間で、なんと約110億トン分の氷が溶けたという。

 デンマーク気象協会の気候科学者であるルース・モットラム氏によると、さらに2019年7月の1ヵ月間では、約2,000億トンの氷が溶けたことが観測されており、例年の3倍以上に昇る。

 8月2日に公開されたグリーンランドの氷が溶ける様子。

 グリーンランドの街イルリサットでは、なんとショートパンツを履く住民の姿が目撃されており、モットラム氏は「まったくもって普通じゃない」と米CBSに話す。

人類が直面する気候変動

 今年7月は、ヨーロッパ各国で観測史上最高気温を記録しており、アントニオ・グテーレス国連事務総長は世界のすべての国で気候変動に対する緊急の対策を講じる必要があると発言したほど。

 モットラム氏によると、7月に発生したヨーロッパからの熱波によってグリーンランドで氷が溶けるエリアが拡大したという。しかし今回これほどまでに多くの氷が溶けた理由は、1年を通して温暖な気温の時期が長くなっていることや乾燥した冬にあり、熱波はメインの原因ではないとモットラム氏は米CBSのインタビューでつけ加えた。

 ちなみに、世界で深刻化する気候変動について、気候変動の問題に取り組む米CERESのスー・リード氏は「これから約18ヵ月の間に、非常に多くのことが起こるでしょう」と米Reutersに話し、ポツダム気候影響研究所所長のハンス・J・シェルンフーバー博士は、2020年にイギリスで開催されるサミットまでの約18ヵ月が、人類の今後を決定づけるだろうとしている。(フロントロウ編集部)

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